歯科医院の外注先の中で、最も業務頻度が高いのは歯科技工所への依頼だ。クラウン・ブリッジ・義歯・アライナーなどの技工物を患者ごとに依頼し、修正があれば再依頼し、納品を確認して患者へ装着する——このサイクルが日常的に繰り返される。
技工所への依頼に加えて、医療事務の委託会社・清掃業者・設備保守業者との連絡も重なると、外注先管理の情報が分散しやすくなる。
歯科医院の外注先管理で繰り返される問題
外注先との連絡が電話・メール・口頭に分散している体制では、同じ問題が起きやすい。
技工物の依頼内容の伝達ミス。 クラウンの色調・ブリッジのポンティックの形態・義歯のサイズなど、依頼内容を口頭や手書きのメモで技工所に伝えていると、伝達ミスが発生しやすい。技工所から「この依頼内容を確認したい」という問い合わせが来たとき、元の依頼内容の記録がないと確認に時間がかかる。
技工物の所在が追跡できない。 複数の技工物を複数の技工所に同時に依頼しているとき、「Aさんのクラウンは今どこにあるか」「いつ納品される予定か」を把握するために、技工所に電話確認が必要になる。スタッフが複数いる医院では、誰がどの技工物を追跡しているかが不明確になりやすい。
修正依頼の記録が残らない。 試適で不具合が見つかり修正を依頼した場合、その内容と再依頼日が記録に残らないと、後から「この技工物は何回修正したか」「最終的にどんな修正を依頼したか」が追跡できなくなる。
医療事務委託とのやりとり管理。 レセプト業務・保険請求を委託会社に依頼している場合、月ごとのやりとりが増える。返戻・査定への対応依頼・必要書類の確認などが電話・メールに分散すると、月末の確認作業が煩雑になる。
管理の仕組みを整える観点
技工物依頼をタスクとして管理する
技工物の依頼1件をタスクとして起票し、依頼日・依頼先技工所・内容・予定納期・実際の納品日・患者への装着日を記録する設計にすると、「今週納品予定の技工物は何件あるか」「まだ来ていない技工物はどれか」が一覧で確認できる。
依頼内容(色調・形態・材質など)をタスクのメモとして残すことで、技工所からの問い合わせに素早く対応できる。修正が発生した場合も、修正内容と再依頼日を同じタスクに追記することで、1件の技工物の経緯が1か所でまとめて確認できる。
技工所ごとの依頼履歴をまとめる
複数の技工所を使い分けている場合、技工所ごとに過去の依頼履歴・納期の実績・修正の発生頻度を把握できると、依頼先の選定に役立つ。「この技工所はクラウンは得意だが納期が長い」「この技工所は義歯の対応が早い」という情報が積み重なると、患者の状況に合わせた依頼先選定がしやすくなる。
医療事務委託とのやりとりを月ごとに整理する
医療事務委託会社との確認事項・返戻対応の依頼・必要書類のやりとりをツール上にまとめると、月ごとの対応状況が見えやすくなる。担当スタッフが変わった場合も、過去の対応記録をツール上で確認できる。
情報管理の観点
歯科医院では患者情報の取り扱いが伴う。外注先に共有する情報は、業務に必要な範囲に限定することが前提だ。
歯科技工所に共有するのは、技工物の仕様情報(色調・形態・材質・サイズなど)と依頼・納期に関する情報に限定する。患者の個人情報(氏名・住所・連絡先)は技工物の制作に必要ではないため、共有範囲に含めない設計にすることが原則だ。
ツールの権限設定が技工所ごとに分けられる設計になっていれば、A技工所にはA技工所に依頼している技工物の情報のみ見えるという設計ができる。
どこから始めるか
歯科医院での外注先管理ツール導入は、技工物の依頼管理から始めるのが定着しやすい。
まず、今週依頼している・今週納品予定の技工物の一覧をツール上に作る。依頼先・依頼内容・納期だけ入力した一覧でも、「どの技工物が今どこにあるか」が見えるようになる。この状態から、修正履歴の記録・複数技工所への依頼管理へと段階的に広げていく。
医療事務委託・清掃への拡張は、技工物管理が習慣になってから行うと、スタッフへの定着がしやすい。
複数の歯科技工所に依頼していて、「どの技工物が今どこにあるか」の確認のために電話をかけているなら、Paqutで技工所ごとに依頼・納期・修正をタスク管理できます。技工所を何社招待しても月額は変わりません。まず今週依頼している技工物の一覧をPaqut上に作るところから始めてみてください。