AIで実装が速くなってから、確認の回数が増えた。
「この方向で進めていいですか」「さっきの仕様、変更になりましたか」「この件、誰が確認しましたっけ」——1日の中に確認のやりとりが増えている。仕事が増えたからではない。実装サイクルが速くなったから、確認のサイクルも増えた。
速く作るほど、確認が必要になる
実装が遅かった時代は、1つの機能を作るのに1週間かかった。その間に要件の確認が自然と入った。遅さがバッファになっていた。
AIを使うと同じ機能が1日で動く。動いたものをすぐ見せて、フィードバックをもらって、また直す。このサイクルが速くなった分、「確認して合意する」ステップの回数が増えた。
これ自体は正しい進め方だ。速く試して速く修正する。問題は、その確認がチャットで流れていくことにある。
確認がチャットで消えると何が起きるか
「この画面のレイアウト、縦並びでいいですか」とSlackで聞く。「いいですよ」と返ってくる。実装する。
1週間後、別のメンバーが「この画面って横並びになる予定でしたっけ」と聞く。Slackのスレッドを遡ると、縦並びで合意しているログがある。でもそのログを見つけるのに5分かかる。
あるいは、ログが見つからなくて「もう一度確認しよう」という話になる。同じ確認を2度する。
確認の回数が増えていること自体は問題ではない。確認した結果がどこにも残らないことが問題だ。
「状態が見える」設計が確認を減らす
確認の回数を減らそうとするのは逆効果だ。速いサイクルで進めるには確認が必要で、それを減らすと手戻りが増える。
やるべきは、確認しなくても状態が見える設計にすることだ。
タスクにステータスがある。「対応中」「確認待ち」「完了」。タスクを見れば、今その機能が何の状態にあるか、誰の手元にあるかがわかる。チャットで「あの件どうなってますか」を聞かなくていい。タスクを見ればわかる。
確認した内容はタスクのコメントに残す。「縦並びで確定。2026-08-25 岸本確認済み」という1行が残れば、1週間後に同じことを聞かれない。
外注先との確認はより重要になる
社内のメンバーとのやりとりは、ある程度の文脈共有がある。廊下で話した内容、会議で決まったこと、チームの空気感。
外注先はそういう文脈を持っていない。タスクと、タスクについてのやりとりだけが情報源になる。だから外注先との確認は、チャットではなくタスクのコメントに残すことがより重要になる。
「この実装でいいですか」「いいです、進めてください」——このやりとりをタスクのコメントでやると、外注先も発注側も同じ場所で状態を確認できる。「確認が取れたかどうか」もタスクのステータスでわかる。
「確認しなくても進める」より「確認した結果が残る」
確認をなくすことはできない。速いサイクルで動くプロジェクトほど、確認は必要だ。
変えるべきは、確認の場所だ。チャットでやるか、タスクでやるか。チャットは速い。でも流れる。タスクは少し手間がかかる。でも残る。
AI実装が速くなった今、プロジェクトを速くするボトルネックは「作る速さ」ではなく「確認の設計」に移った。確認が増えたのは仕事が増えたからじゃない。サイクルが速くなったからだ。そのサイクルに合う確認の設計をするのが、今のプロジェクトマネジメントの仕事だと思っている。
タスクで確認の状態を可視化しながら外注先・クライアントと仕事を進める設計をPaqutで試せます。
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