複数の案件を同時に抱えていると、「あの案件、もう請求できる状態だっけ?」という確認が必要になる瞬間がある。
納品したと思っていたら修正が残っていた。請求書を送ったら「まだ確認中です」と返ってきた。逆に、納品が完了しているのに請求を後回しにして1ヶ月経っていた——。
案件の進捗と請求のタイミングがずれる原因は、たいていシンプルだ。この2つを別の場所で管理しているから。
進捗と請求がバラバラになる構造
個人事業主の案件管理をよく聞くと、こういう構成になっていることが多い。
案件の進捗はメールのスレッド、または頭の中。請求書の発行はfreeeやマネーフォワードなどの会計ソフト。タスクの状況はNotionやExcelのメモ。
3つの場所が別々にあると、「この案件どこまで進んでるっけ」を確認するために複数の場所を開く必要がある。案件数が増えると、確認する手間が積み上がり、漏れが起きやすくなる。
「納品完了→請求OK」のタイミングを即座に判断できる場所が一つもない状態だ。
案件ごとにフェーズをタスクで持つ
解決の方向はシンプルで、案件ごとに「今どのフェーズにあるか」をタスクとして持つことだ。
たとえば受託制作の案件なら、こういうタスク構成になる。
- ヒアリング・要件確認
- 初稿・プロトタイプの提出
- クライアントの確認待ち
- 修正対応
- 納品完了
- 請求書の送付
- 入金確認
各タスクに担当(自分かクライアントか)と期日を設定すると、「今どこで止まっているか」が一目でわかる。
「クライアントの確認待ち」のタスクが止まっている案件はリマインドが必要。「納品完了」のタスクが終わっているのに「請求書の送付」が残っている案件は請求を出す番。この判断を朝5分で済ませられる。
「請求できる状態」が一覧で見える
案件一覧を見たとき、「納品完了」フェーズに到達している案件が請求の対象だ。
請求書の発行自体は会計ソフトで行えばいい。ただ「どの案件が請求OKか」を判断する材料は、案件の進捗管理ツールにある。この2つを完全に一体化する必要はない。案件ツール側に「今どこまで進んでいるか」が見えていれば、請求の判断は数秒で済む。
月末にまとめて請求書を整理しようとして「あの案件納品したっけ?」と過去メールを掘り起こす作業がなくなる。
クライアントを招待すると確認が速くなる
修正の往復が多い案件では、クライアントをツールにゲストとして招待すると、確認フローが変わる。
「初稿を確認してください」というメッセージをSlackやメールで送って返信を待つ代わりに、タスクのコメント欄に「この点だけ確認してください」と書いて完了報告を入れる。クライアントはそのタスクにコメントするだけ。
確認の往復が速くなると、「クライアントの確認待ち」のフェーズで止まる時間が短くなる。結果として「納品完了」に到達するのが早くなり、請求のタイミングも早まる。
案件数が増えても構造を変えない
2〜3案件の時期は頭で管理できる。5〜10案件になったとき、頭の中の管理が崩れる。
案件が少ないうちから「フェーズをタスクで持つ」設計にしておくと、案件数が増えても同じ管理方法でスケールできる。新しい案件を受けるたびに同じタスク構成を作るだけで、一覧の中に追加される。
「どの案件が今どこにあるか」が常に見える状態を維持することが、個人事業主の案件管理の核心だ。
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