kintone は社内業務のデジタル化に使われているが、「外注先もkintoneに入れて一緒に管理したい」という場面になったとき、ゲストスペースの仕組みと費用の構造を把握しておかないと想定外のコストが発生する。
この記事では、kintone に外部ユーザー(外注先・クライアント)を招待するときの仕組みと料金を整理する。
kintone の外部コラボレーターの仕組み
kintone に外部の人を招待する機能が「ゲストスペース」だ。
ゲストスペースは、社内の他のアプリやデータにはアクセスさせず、特定のスペースだけに外部ユーザーを参加させる設計になっている。外注先・クライアント・パートナー企業など、社内と完全に同じ権限を与えたくない相手を招待するための仕組みだ。
ゲストスペースに招待された外部ユーザーは「外部コラボレーター」と呼ばれる。外部コラボレーターは自分が招待されたスペースのアプリとデータにのみアクセスできる。
ゲストスペースを使うために必要なプラン
ゲストスペース機能はスタンダードコース(¥1,500/人/月)でのみ利用できる。ライトコース(¥780/人/月)にはこの機能がない。
外注先を招待する目的でkintoneを契約する場合、社内メンバー全員分がスタンダードコースの料金になる。
主なコース比較:
| コース | 月額(税別・1人あたり) | ゲストスペース |
|---|---|---|
| ライトコース | ¥780 | 使えない |
| スタンダードコース | ¥1,500 | 使える |
※料金は変動することがあります。公式サイトで最新の金額を確認してください。
外部コラボレーターのライセンス費用
ゲストスペースに招待する外部コラボレーターにも、ライセンス費用が発生する。外注先を何名招待しても追加費用なし、という設計ではない。
社内メンバーのコースとは別に、外部コラボレーターの人数分のライセンスが上乗せされる。外注先が増えるたびにコストが増える構造だ。
外注先・クライアントを何名招待するか、案件ごとに入れ替わるかどうかによって、トータルのコストが大きく変わる。
※外部コラボレーターの料金詳細はサイボウズ公式サイトで確認してください。
外部ユーザーが使えるのはゲストスペースのみ
外部コラボレーターができることには制限がある。
招待されたスペースのアプリのみ閲覧・編集できる。社内の他スペース・他アプリにはアクセスできない。kintone の管理機能には触れられない。
この設計は情報の分離という面では合理的だが、外注先が複数の案件に関わる場合、案件ごとに別のスペースに招待し直す作業が発生する。
kintoneで外部招待するときに起きやすいこと
タスク管理アプリを自分で作る必要がある
kintone には「タスク管理」の標準アプリがない。担当者・期日・ステータスを管理するには、ノーコードでアプリを自作する必要がある。
外注先が直感的に使える状態にするまでの設計コストは低くない。複数の外注先が入れ替わる体制では、ゲストスペースのアプリ設計だけで相当な時間がかかることがある。
招待・削除の運用が発生する
外注先が案件ごとに入れ替わる場合、毎回招待と削除の作業が発生する。外部コラボレーターにライセンス費用が発生するため、案件が終わった外注先をそのままにしておくとコストが積み上がる。
外注先側のkintone習熟度の問題
kintone は社内業務のデジタル化に使われるプラットフォームなので、外注先がkintoneに慣れていないケースが多い。簡単なタスク確認のためだけに、外注先にkintoneの使い方を覚えてもらうコストが生じる場合がある。
kintoneの外部招待コスト試算
制作会社・代理店でよくある構成で試算する。
社内メンバー3名・外注先5名でkintoneを使う場合:スタンダードコース3名分+外部コラボレーター5名分のライセンスが必要になる。社内3名のスタンダードコースだけで月4,500円(税別)。これに外部コラボレーターの費用が加わる。
外注先が月ごとに3〜5名入れ替わる体制では、ライセンスの追加・削除の管理と費用の変動が定常的に発生する。
外部招待コストなしのツールと比較したとき
kintoneはノーコードで業務アプリを自由に構築できる設計が強みで、社内の業務デジタル化には他ツールにはない完成度を持っている。外注先との案件管理には設計コストと外部ライセンス費用の両方が発生するため、外注先が多いチームとは相性が出やすい。
外部ゲストを何人招待しても追加費用がかからないモデルのツールとして Paqut がある。自社メンバーの人数分だけ課金し、外注先・クライアントは無制限に招待できる設計で、案件ごとに外注先が入れ替わる運用でも料金が変わらない。
kintoneで社内業務を一元管理しながら、外注先との案件管理はPaqutで行うという分担も選択肢の一つだ。